イカを食べる

キスと一緒にイカも買ってしまった。
新潟港直送と書いてあって、
小さいイカが1杯78円くらい。
新鮮そうだったので、
2杯買ってしまった。キスも買ったのに・・・。
それなのにお昼には食べずにこちらも夕飯に。
新鮮なものを買ったのに、
それを明日に持ち越すのは悲しすぎる。
内臓を出す。
新鮮なためか、皮は簡単にむけた。
細く切って刺身で食べる。
私が触る時間が長かったため少しイカが温まっている。
切ってから冷蔵庫に少し入れておくとよいのだなあ。
刺身で全部食べられそうでなかったので
オーブントースターで焼く。
醤油をかけて全部食べる。
足やエンペラは醤油と日本酒としょうがのすりおろしに漬け、
冷蔵庫に入れる。
今日の夕飯にそれをオーブントースターで焼く。
実はあんまりイカを買う方ではないのだけど、
案外適当にできるのだと思う。
イカを食べていたら、
昔ある人の家でイカを焼いてもらったことを思い出した。
仕事関係で知り合った人で、家におよばれされ、
その人はイカを焼いてくれた。
私よりも若い女性で、
イカのわたを味噌と混ぜ、
それと身を一緒にオーブントースターで焼き、
これが好きなのだと出してくれた。
私はそんなふうにイカを食べたことがなかった。
彼女はイカだけを並べ、
他の料理はあまりなかったように覚えている。
自分が食べたいからそれをつくり、
本当においしそうにその人は食べていた。
その彼女がどんな人だったのか、
なぜ私は彼女のアパートに行くことになったのか、
どんな顔をしていたのか、
今ではほとんど思い出せない。
特に仲良しだったわけでもなかったし、
会話は全く覚えていない。
イカは思っていたより美味しかったけど、
あまりたくさんは食べられず少し困ったこと、
早く帰りたいと思ったようなことをかすかに覚えている。
彼女は私のそんな様子には気がつかないようだった。
何十年も思い出したことがなかったことを、
イカを食べていたら思い出した。
食べ物の記憶。

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