去年から福島県川俣町の友人から遊びにおいでと言われていた。
たまたま先週末に時間がとれたので、
1週間前に友人に連絡をしたら大丈夫と言うことで、
急遽遊びに行くことにした。
私の車にはETCがついていない。
車で高速利用だとお金が結構かかるので、
寝ることもできるバスと電車で行く。
新潟からの高速バスは会津行きと郡山行きがある。
福島市への直行バスはない。
郡山まで高速バスで2時間半～3時間弱、
郡山から福島市までJRの普通列車で約50分。
福島から川俣町の現在の友人宅である仮設住宅まで車で30分以上。
新潟県は長いけど、福島県は広い。
仮設住宅に一旦立ち寄る。
住宅の周りにはプランターがあちらこちらに置かれ、
ナスやトマトなどの野菜の苗が植えられ、元気に大きくなっている。
ここには同じ地区に住んでいた人達がまとまっていて、
友人はその点は良かったと言う。
「みんな食べられるものばかり育てている。」と友人が笑いながら話す。
荷物を置いて計画的避難区域である友人の家まで連れて行ってもらう。
住民は許可書があれば区域内に入ることができる。
友人は犬を2頭買っていて、
現在もワンコはそこにいるので、
餌をやりにダンナは定期的に通っている。
川俣町でも計画的避難区域でない地域では、
田んぼに米が育っているが、
区域に入ると田んぼや畑に雑草が生えている風景が広がっている。
その線のこちらとあちら側で実際にどれだけ変わるわけではないのに、
見えない線が人々を分断し、生活を完全に変える。
狭い農道や山道は雑草が生い茂り、
道幅が狭くなっている。
家々の庭にも雑草が目立つ。
私達が普段見慣れている、もしくはイメージしている農村の風景は、
人の手で管理されているものだと改めて実感する。
素敵な里山の風景は、どれだけ人の手が入り、
維持されているのかを思い知らされる。
長い長い間、それぞれの季節ごとに、
やるべきことをコツコツと続けてきた結果が、
都市の人があこがれる「自然の風景」だ。
たったの1年半で自然は風景を変えている。
そして自然の中で暮らすことに付随する農作業や家周りの手入れ、家事や地域の仕事など、
体を動かし疲れながらも充実していた人々の長い時間は奪われたままだ。
友人が家に到着すると、ワンちゃん達が出迎えに飛んできた。
ワンちゃんはのびのび育っていて、
広大な友人宅の敷地で好きなように走り回る。
そんなふうにして育ったワンちゃんは、
到底仮設住宅に連れていけないし、
飼うスペースも無い。
とてもおりこうなワンちゃん達で、
まるでヨーロッパの犬のようで（私の単なるイメージだけど）、
しつけはどうしたの？と聞いたら、
しつけは特にしていないという。
今は亡くなった親犬を見て育ち、
こうなったと言っていた。
ワンちゃん達にとってはこのままここで暮らすことが、
一番の幸せに違いない。
関西出身で、土地も借地だった友人達が引っ越さないのは、
かなりワンちゃんのためなのかもしれない。
特に予定もなく遊びに行ったので、
日曜日にいわきの水族館に行くことにした。
いわき市までもずいぶん遠い。
そんなに遠いのに申し訳なかったけど、
海側に行ってみたいという私の希望をかなえてくれた。
いわき市まで川俣町から車で2時間。
福島県は本当に広い。
「アクアマリンふくしま」は想像していたよりも大きい水族館だった。
新潟市のマリンピアより全然大きい。
日曜日のせいか、人もかなり入っていた。
子供連れとカップルが多い。
視察らしきおじさんグループも多かった。
水族館に入ったのは何年ぶりかわからない。
楽しいし、飽きない。
時間がなくバックヤードツアーに参加できなかったのが残念。

いわし、きれい。光ってる。

ゴマフアザラシ

2355

泳いでいる魚を撮るのは結構大変。



展望台から

イルカ

「アクアマリンふくしま」から塩屋崎灯台へ向かう。
市内だけどかなり距離がある。

途中、津波で流されて土台だけになっている家々の脇を通る。
こんな海の近くに家が建っていたのか。
遊歩道は立ち入り禁止

観光バスも何台も止まっている。
美空ひばりの歌碑が建ち、歌が流れている。

いわき市から郡山まで友人が送ってくれた。
やはり1時間以上。
郡山駅前に到着したのが、
バスの出発時間の20分前。
20分という時間で、
なじみのない駅でおみやげを買う気持ちの余裕はなく、
バスを待ち新潟に戻る。
到着した日に福島駅の駅ビルを見たときは、
福島はおいしそうなお菓子のお土産が多い気がした。
今回は笹団子を新潟のお土産で持っていったのだけれど、
福島にもあることがわかり軽いショックも受けた。
飲みながら友人のダンナが言っていた、
「ずーっとふわふわしている感じ」という言葉が耳に残る。