カテゴリー別アーカイブ: Books

おすすめ本 「井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法」

憲法全文と第九条が、
わかりやすい、
美しい日本語で書かれている美しい本。
2005年から2006年にかけて、
井上ひさしが朝日小学生新聞に連載した内容を元に構成されている。
井上ひさしはおそらく今後の日本に危機感を持ち、
連載を書いていたのだろうと思う。
2013年の現在、
井上ひさしがいだいていたであろう危機感は、
さらに現実実を帯びている。
井上ひさしが子ども達に伝えたいという思いに
あふれている素晴らしい一冊。
子どもでない人にも手にとってもらいたい。
前文を改めて読んだ。
当時の日本の決意が滲みでている日本語だ。
アメリカから押し付けられた文章ではない。
勇気を持ってこの第九条がある平和憲法を守っていくこと、
この憲法こそが日本の最強の武器となり、
日本の強さになるのだと思う。

十二国記の新刊でた~~~!!!

短編集。
2つはyomyomで掲載されたもので、
2つは書き下ろし。

最初の話のラストでふいに涙がこぼれた。
最近小説読んで泣くことが増えた。
年・・・ですか・・・?
長編新作も早く出ないかな、出ないかな。
泰麒の話かな?どこの話かな?

これはすごい本でした 「冷血」 高村薫著

昨日は「冷血」上巻を読む。
夕飯に味噌汁を作ろうと煮干を水に浸しておいたのに、
本を読んでいて味噌汁を作らず、
そのまま今日まで持ち越す。
昨日の夕飯に冷凍しておいた豚肉を食べようと、
冷蔵庫に移してあったのに、
それも食べず。
今日は豚肉と煮干のだしを使わなければならない。
お昼にサトイモを使って、
冷蔵庫にある肉を入れて豚汁を作ることにした。
作りかけてから、煮干を入れた水があることを思い出し、
豚汁にその水を入れたら、
かなり微妙な味になってしまった。
まずいものはめったにつくらないけど、
これはあまりいただけない。
一晩置いたしまったために、
煮干のだしがかなり出ている。
それと肉のだしがどうもあまり仲が良くない。
悲しい。
今日は「冷血」下巻を読む。
図書館から借りてある本で、
実は期限が切れているので今週には返さないとならない。
上巻の第1章はなかなか読む進まなかったが、
第2章に入ると一気に加速する。
高村薫の小説は最初がかなり読みにくいが、
そこをどうにか耐えて読み進むとはまる。
下巻で涙してしまう。
小説が読み終わる前に用事で外出する。
世界が少し変わっているような気がする。
高村薫の小説は、
小説が持ちえる力を再確認させる。
軽い本ではないし、
幸せになれる話でもない。
けれども多くの人にお勧めしたい本だ。
アマゾンのレビューを読んでみると、
私が上手に言葉で言いあらわせない感じを、
うまく表現されているものがいくつかあった。
カポーティの「冷血」は読んでいないけど、
読んでみようか。
20日日曜日のNHK特集の行き場のない高齢者の番組を見て、
その後「冷血」を読み終わった。

怖かったよ~ 「残穢」小野 不由美著

ホラーは苦手。
ホラー映画やホラー小説は基本的に見ないし、読まない。
小学生の頃は仮面ライダー系のテレビでも怖かった。
家のトイレの戸を開けたら、
ショッカーが出てきそうな気がした。
(なんてビビリなんだ!)
だけど小野不由美は好き。
それで何年ぶりで今年出版された新作を、
図書館で予約して、
ずいぶん待ち、ようやく先週手元に来た。

読みはじめたのは夕方で既に外は暗い。
これは夜に読めないなあと即座に思う(ビビリだから)。
私には昼間の明るい時間帯でなければ無理だ。
擬似ノンフィクションみたいな形の小説。
主人公というか語り手はどうみても著者本人だ。
読んでいるうちにこれは小説なのか、
実際に合ったことなのかよくわからなくなる。
(事実をネタにした小説のような気がする)
あまりにも淡々と物語は進む。
けれどもこれは本当にあったことのような気もして、
読んでいる自分にも伝染してしまうのでは?と感じる。
(小野不由美の勝ち)
こわいけど一気に読んだ。
怖かったのでアマゾンのレビューを読んだ。
怖かったという感想と期待はずれだったと感想と両方ある。
私はかなり怖かったぞ!
いわゆるホラーと違うし、スプラッタでもないし、
特に大きな事件が起きるわけでもないけど、
日常に潜み、どこにでも起こりえそうなことが、
一番怖くないか?
レビューにもあったけど、
後ろを振り向けないよ。
音も怖いよ!
この本を図書館に返せるのでうれしい。
(怖いから家において置きたくない)
ただカバーを取ると怖い何かがあるらしいけど、
図書館の本なのでカバーが貼り付けてあってめくられない。
これは本屋でめくってみよう。
本書に随時に出てくる怪談好きの小野不由美の冷静さに、
客観性を持てる人だから怪談を好きになれるのだと思った。
同時刊行の以下のもう1冊と合わせて読むと、
2冊がリンクしていてより面白いらしいけど
(その場合は下記の本を先に読むといいらしい)
これ以上怖くならなくていいと思う私は、
やっぱり今もビビリなのだ。

おすすめ本 「本屋は死なない」

先日、ヨガの生徒さんからこう告げられた。
「来週は残念ながらお休みします。
その日に北書店で「本屋は死なない」の著者の人が来てお話があるので、
それに参加してきます。」

「本屋は死なない」は書評か何かを見て読みたいと思っていたけど、
その後すっかり忘れてしまい読んでいなかった本だ。
そんなことを生徒さんに言ったら、
「「本屋は死なない」、面白いですよ。」と言われたので、
早速図書館から借りて読んだ。
(本屋に行かずにすみません・・・)
私も昔よりは確実に本を買わなくなったし、
(収入とスペースが少ないことが大きな要因)
気になる本があれば、まずは図書館で借りるようになった。
買うのも本が決まっていればネット書店を使うことが多い。
昔よりも本屋に行かなくなったのだ。
この本は著者が全国の気になる書店を訪ね歩き、
書店員や店主と過ごしたり、対話をした記録だ。
先日アマゾンがkindleの日本発売を開始し、
とうとう電子書籍が身近なものになりそうな気配を感じる。
この本のリンクをつくるときに、
同じ本なのに1350円くらいの表示が出てきたので、
クリックしてみたら、アマゾンの電子書籍版だった。
私は紙の本が好きだし、
中高年以上はそういう人も多いとは思うけど、
小さい頃からパソコンに触れ、
タブレット端末などに慣れている子ども達は、
感覚が違うと思う。
本を巡る状況はこれからさらに大きく変化をするのだろう。
昔は辞書で単語を調べていて、
その周りの単語を見たりするのも楽しかった。
今は電子辞書なので、目的の単語をすぐに見つけられるけど、
そこで終わる。
百科事典は過去のものとなり、
ウィキペディアですぐ調べたりする。
(私もそうだ)
アマゾンで目的の本を見つけると、
オススメの本も出てくるけど、
それは統計的に処理されたものだ。
(悔しいけどうまく出来ている)
だけど本屋の棚とは違う。
便利に、速くなればなるだけ、
ピンポイントになり、世界が狭くなる。
電子書籍はこれからどんどん増えることは間違いない。
洋書も送料がかからなくなり、
手に入れやすくなるだろう。
だからといって紙の本がなくなることも無いと思う。
便利さと不自由さは、
そこに到達するまでに、
他のこととの関わりが少ないか多いかと言い換えることも出来そうだ。
関わりが少ないだけ、
時間も早く、簡単になる。
時間をマネジメントしやすくなるともいえる。
自分が予定したとおりに物事が進みやすい。
けれども関わりが多いということは、
その関わる手間の分だけ、
自分を豊かにする時間にもなりえる。
予期しないものに出会ったり、
とんでもない方向につながることもあるかもしれない。
若い人ほど、
面白い本屋に行ってほしいと、
この本を読んで思う。

おすすめ本 「ゼロリスク社会の罠」 佐藤健太郎著

現在進行中で読書中の本。
知っておいてよい情報が書かれている本だと思う。

そのP108~109に「カビないパン」に関する記述がある。
本に記載されているように検索して以下のページにたどり着いた。
http://www.ffcci.jp/information/img/kaiho_4-1-3.pdf
ちょっと長いけど時間のあるときにぜひ読んでみてほしい。
この本もそうだけど、
これを読んで自分自身にも当てはまることが多かった。
実はもう20年以上は前に「カビないパン」の話を聞いた。
当時は添加物名までは言っていなかったけど、
○○パンは添加物が多いからカビが生えないという話で、
私はそれから○○パンをあまり食べなくなった。
そして上記の本や文章でも指摘されているように、
天然、自然のものなら安心というイメージは、
私の中にしっかり植えつけられている。
私は化学には疎い一般ピーポーで、
上記の本や文章で指摘されている、
量の概念は完全に抜け落ちている。
それはこのブログにも以前書いたけど、
洗濯洗剤についても同じことだった。
化学って確かに毛嫌いされる分野だと思うし、
テレビでも物理よりさらに取り上げられない分野だと思う。
だけど生活に密着している分野なので、
私たちはもう少しきちんと知る必要がある。
特に技術の進歩が目覚しい現代社会ではなおさらだ。
私の頭の中も常に更新、書き換えが必要だ。
以下上記の本の102ページから引用。(自分のためのメモ)
「・・・・どんなものであれ、食べるものには必ず何らかのリスクがあります。食べたものが消化分解されてエネルギーに変わってゆく過程では、必ず活性酸素が発生し、DNAや各種重要分子を傷つけてしまいます。
 食事をするということは、いってみれば、生きるために必要な栄養やエネルギーをとり入れる一方で、少しずつ与えられた命を削っていく過程でもあるのです。もちろん、食べずに生きていくことができるわけもありませんから、これは生命に与えられた宿命に他なりませんが。
 現在、寿命を延ばすことができると科学的に証明された方法が一つだけあります。それは摂取カロリーを通常の7割程度に減らす-「腹七分目」に食べることだそうです。・・・」
この章(「第2章 「天然」大好き、「化学的」は大嫌い・・・・の罠)の最後の文章(P117)
「 多種類のものをバランスよく食べる-何だか実につまらない「秘訣」ですが、信頼できる栄養士ほど、こういう基本を徹底しているようです。・・・・
 真理というのは、えてしてこのように、売上や視聴率にはつながらない、あまり面白くないものであるようです。」
そうそう案外地味なことなんだよね。
大切なことって。

おすすめ本 「動物感覚―アニマル・マインドを読み解く 」テンプル グランディン著

以前にダ・ヴィンチで見かけて少し気になった本。
先日図書館で返却本のコーナーにあったので借りてきた。
現在進行形でまだ読み終わっていないけど、想像以上に面白い本。
動物に興味があまり無い人でも興味深く読めると思う。
自閉症である著者の視点が何より新鮮。
カバーデザインもカッコイイ!

読了(6月1日)。
最後まで面白く読めたし、さらにオススメしたくなった。
仕事ブログにも書いた。
http://lemove.blog54.fc2.com/blog-entry-296.html
ちょっと内容を抜粋してあるので、ぜひどうぞ!
買いたくなった本。
動物と一緒に暮らしている人はぜひ読んだ方がよいと思う。

最近読んで面白かった本


料理って科学だということを知りました(今更ですが・・・)

モーシェ・フェルデンクライス博士は本当に天才だったということを、
最近の脳科学の本とか読むと改めて感じる。

視力を失った人達がこんなにも違う体験をしているとは・・・!

止められない、止まらない、眼があぁ~~~

最近は本当に眼が疲れやすくなった。
もちろん老化!
特にパソコンの画面はひどい。
だからあんまりパソコンで長文は読みたくないのだけれど、
また読んじゃった。気がついたら1時間経過・・・。
眼が死んだ。
このブログでも前に紹介した大野更紗さんの「困ってる人」。
最初に読んだのはインターネット上だ。
このときも、止められなくて、眼が死んだ・・・。
まだ読んでいないな人は本当にオススメ本なので、
ぜひ手に取ってみてください。一気読みしちゃいますよ!
http://diary.le-move.com/blog-entry-431.html
その大野更紗さんのツイートから行ってみたリンク。
そうだから後で読もうかと思い、0話だけ読んでみた。
そしてそのまま一気に最新話まで・・・。
頭もボーっとした。
内容は熊本市動物愛護センターの約10年の記録。
『0(ゼロ)!』 殺処分0をめざした熊本市動物愛護センターの心優しき戦士たち
現在も進行中の話なのですが、
ちょっとすごいのです!
熊本市の職員が部下にパワーハラスメントで懲戒処分というニュースを昨日みたけど、
同じ市の職員でもこんなに頑張っている人達もいる。
私達はまとめちゃって、くくっちゃって、ラベルを貼るのが好きだけど、
役所の中でもいろいろな人がいて、いろいろなことが起こっている。
そしてこんな奇跡のようなことも・・・。
けれども実際は奇跡が起きているのではない。
結果が奇跡に見えるだけで、
当事者の方々はつらい体験や経験を経て、
その中でもがき苦しみながら、
できることを少しづつ積み重ねてきた結果だ。
決して奇跡なんかじゃない。
動物管理センターという殺処分の現場に配属された獣医師の、
これ以上動物を殺したくないという強い気持ちが発端になり、
始まった物語。
とても力をもらえるノンフィクションです。

おすすめ本 「ご先祖様はどちら様」 高橋秀実著 新潮社

最近は読んだ本の記録として書いている感があるけど、
読んだ本全てをオススメ本としているわけではないです(一応)。
高橋秀実さんの別の本は以前にも書いている。
http://diary.le-move.com/blog-entry-316.html
著者はふとしたきっかけから、
自分のご先祖様を探し始める。
旅をしながら、いろいろな人達と出会い、
家系図のこと、それぞれのご先祖様のこと、
いろいろなことがわかってくる。
わからないということもわかっている。
それらの様子がこの著者の独特の立ち位置から語られる。
私も家系図とかほとんど無縁のところで生きてきたので、
そんなことになっているのかと、
初めて知ったことも多かった。
前の本でもそうだったのだけれど、
私はこの高橋秀実さんのスタンスがとてもしっくりする。
へんに上にいるわけでもないし、
下にいる感じでもない。
私にとってはとても居心地がよい。
文章は軽く、とても読みやすい。
もうじいちゃんもばあちゃんもいないけど、
小さいときにいろいろ聞いていれば、
面白い話もあったのだろうなあと思った。