べイエリア通信#2  2000年5月27日

(10年前に書いた通信です)
アメリカで出会う日本                     
 先日、胸のところに「平和愛」という小さな文字が印刷されているTシャツを着ている若者とすれ違った。友人は「風」という文字が大きく胸の所に印刷されているTシャツを着ていた。「道」という文字を腕に刺青している人もいる。今日は「神は私の副操縦士」という、わけのわからない言葉が逆さ文字で印刷されているTシャツを見た。漢字がずいぶん流行っている。英語圏の人にしてみると、漢字には意味が無く、ちょっとしたARTに近い感覚なのだろう。
 それを見ながら、きっと日本人も英語圏の人が見たら恥ずかしい英語のデザイン服も着ているのだろうなと思った。お互いに隣の芝生がかっこよく見えるのね。でも地元の人が見たら、ちょっと恥ずかしかったり、おかしかったり、おもわず「う~ん」とうなったりしているのである。
 そういえば、ここら辺では「禅」も流行っているらしく、「ZEN」っぽい商品もよく見かける。ミニチュア石庭や電気で水を循環させる石の置き物(水音がする)などが売られている。大きな緑のキャンドルに「竹」という文字が書かれていたりもする。こんなの誰が使うんじゃいと思ってたら、友人宅にしっかりあった。
 ヨガ関係グッズの通信販売のカタログにはおしゃれな「ござ」が載っていた。これには、使い方に決まりは無いなあと感心した。今の日本の若者はおそらく「ござ」を古臭いもののように感じられると思うが、こちらではCool(カッコイイ)な商品なのだ。
 日本人は基本的に伝統に絡め取られているので、自然にものの使い方のルールを学び、使っているように思う。そこには、何か言葉があるわけではないけれど、いわゆる暗黙の了解がある。もちろん幼いうちに大人から注意されつつではありますが。ところが、アメリカには外から来たものに関して伝統がないので、使い方にルールがない。その分自由にものを使っている。どちらがいいという話ではないが、発想の違いに驚くことは多い。
 ヨガ関係の友人で「畳」が好きな人が数人いる。値段を聞いたら2枚で$300くらい。高いような気がするが、自分で畳を買ったことがないのでわからない。皆さん畳の値段わかりますか?その友人に、私の部屋は全部畳だったと話したら、目を輝かせてうらやましいそうな顔をしていた。日本では和室が少なくなってきているが、アメリカのBay Area(アメリカの特にこのサンフランシスコ周辺)では畳やござが好きな人が増えているようだ。和紙もランプシェードにかっこよく使われている。また日本の湯呑を愛用している人もいる。とってもプリティらしい。アメリカの普通のマグカップは大きい。日本の商品は結構人気があるようだ。
 だがしかし、できたら畳の上には土足で上がらないでほしい(某友人宅)。ちなみに私の周りのアメリカ人は家の中では靴を脱ぐ人が多い。でも、別に靴を履いていてもOKなのだ(その家にもよるけれど)。
注意:私の知っているアメリカ人は、アメリカ人のほんの一部なので、もちろん全てのアメリカ人には当てはまりません。
<2011年2月10日の後記>
今も変な感じのTシャツやらありますよね~。
2000年当時は流行り始めだったのかな?

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