(10年前にアメリカで書き、友人に送っていた通信です)
噂のINSに行ってきました
私の住んでいる所はPiedmontという小さな街です。ここは丘に位置し、金持ちが住んでいる街ですが(高いところに住んでいる人ほど高所得なのだ)、私の所はその裾野部分で、Oaklandという新潟市くらいの人口がある比較的大きな都市に接しています。
人口はほぼ50万ってところです。OaklandやBerkeley(その昔のヒッピームーブメントの中心地。UC Berkeleyがある所)が主に私の行動範囲です。サンフランシスコ(SF)を中心として、これらのサンフランシスコ湾周辺一体はBay Areaと呼ばれていて、OaklandやBerkeleyなどのEast Bayの人はSFをCityと呼んでいます。SFは”街”なんですね。確かに BART(公共交通の電車)の駅の階段を上がり地上に出ると、いきなりビルがそびえたっていたりして(駅にもよりますが)、East Bayとはずいぶん雰囲気が違います。
ここからが本題です。5月26日にSFのImmigration and Naturalization Service(日本語にすると移民局でしょうか、普通INSと呼ばれている)に行ってきました。INSへ行った理由は、私の滞在期間の延長申請をするためです。私のビザは観光ビザ(B2)という種類で、ビザの有効期限は5年間です。
ところが、ここがまぎらわしいところなのですが、現在許可されている滞在期間は6ヶ月間で7月3日までなのです。普通アメリカ合衆国に入るには、3ヶ月以内であればビザは必要ありません。しかし、ビザ無しで入国した場合、こちらでビザを取得したり、延長したりはできません。私の場合は、ビザを持っているので延長できる可能性があるのです。簡単に言えば、ビザの発行を決定する政府機関と、アメリカでの滞在期間を決定する政府機関は違うのです。管轄部署が同じでないので、ややこしくなっているわけです。
そろそろ延長の申請をしようかなあと思い、INSのウエッブサイトでチェックしたところ、延長申請は少なくとも期限の45日前までした方がよいと書いてあるではありませんか!それを見た時点の私の残っている期間は40日を切っていました。「しまったあ~」状態で、ヨガのスタジオの人にレターを書いてもらい、作文したものを英語のクラスの先生にチェックしてもらい、あせって準備をしたのでありました。
そこでは延長申請はローカルオフィスへ行きなさいと明記してあったので、デンマークからの移民である大家さんに進められたように朝早く起き(なぜなら移民局はとんでもなく混むらしい)、6時ちょい過ぎに家を出て、自転車に乗って駅まで行き、BARTに乗り、移民局に着いたのは朝の7時15分でした。
まずは入口で空港のように荷物と身体チェックがあり(おおー、ちょっと緊張)、もう10人程が並んでいる列に並び、受付を待ちました。オープンは朝7時からなのに、既にフロアーの長椅子には人がたくさん座っていて、静かな安らぎ系のBGMが流れていました。日本で言えば病院の受付のロビーみたいな雰囲気です。思っていたよりもきれいなところでした(いろいろ聞いていたので、実はなんだかすごいところを想像していた)。
やっと自分の番が来て、滞在延長申請にきたと伝えると、その申請はここではできない、全て郵送になったので、この住所に送りなさいとタカビーなアジア系アメリカンの兄ちゃんが無愛想に言うではありませんか。「だって、インターネットでここに来いと言ってたじゃない」とプリントアウトを見せてくいさがると、その部分に無造作に大きく赤で×印を書かれ、システムが変わったから、これは忘れろとまた無愛想に言うではないか。「おいおい政府期間なんだから、しっかりサイトも修正しろよ~。」と英語で言えないので、しかたなく心の中でブーブー言ってました。まったく役所ってのは、ブツブツ…。
しかし、これ以上あがいてもどうにもならないので、その後コピーできる店を探し、書類をコピーし、封筒をもらい、郵便局へ行き、申請書類を出したのが9 時頃でした。その後、少しぶらぶらして、ふと「やばい、あれもコピーして入れた方がよかったかも…」と、あることを思いだしたのが11時頃。もうきっと郵便物はどこかへ運ばれている可能性が高いと思いつつ、あせりながら郵便局へ行ったら、まだオジさんの脇にちゃんとありました。ありがたかったけど、日本だったらもうなくなっていたかもね。その後、またコピーに行き、郵便局へ戻り、重くなった分だけ料金を足して無事(?)発送終了。
私は無事に滞在延長ができるのでしょうか?申請料として$120も払いました。できない場合とりあえず日本へ帰ります。いつ頃わかるのかもわからない不安定な状況です。もっと早くに調べておくべきでした。皆さん、こういう場合は私のようにあせらないよう早め早めに手を打ちましょうね。
結局サンフランシスコで本を買ったり、ランチを食べたり、コーヒーを飲んだり、消耗し散財した一日を過ごしたのでした。
ランチはサラダバーでおいしかったです。いろいろな種類のおかず、野菜、果物等が並んでいて、自分で好きなものを好きなだけとって、重さで料金を払うシステムです。確か$4.75/Lb(約500g)くらいでした。私の場合、一皿にいろいろ少しずつとって$5.25程でした。てんぷらもありました(とらなかったけど)。人がどんなものを選ぶのか見るのは楽しいです。とっても太っていたお姉ちゃんは、ホウレンソウを一杯とっておりました(こちらではホウレンソウは生食用に、若い葉が一枚ずつバラになった状態でも売られている)。大体の人がTake outしていました。さすがにサンフランシスコはいろいろな店があるみたいです。実はCityに行ったのはこれでまだ4回目。
私は非常にスリリングな6月を過ごすことになりました。ハハハ。エアチケットの変更もあるし。皆さんうまく申請手続きが進むよう、日本から念をアメリカに送って下さいませ。
(2011年後記)
ビザに関しては今はもう違うシステムになっていると思う。これは10年前の話です。
だけど、食堂の風景はきっと変わっていないのでは・・・?
ベイエリア通信#3 2000年5月30日
コメントをどうぞ