ベイエリア通信 #15  2000年10月31日

(この文章は2000年にアメリカから友人に送っていたメールの転載です)
ひさびさ、つれづれ
今日のオークランドの天気 久しぶりにさわやかな快晴、朝寒し。先週末からずっと雨模様。
 今年のカレンダーがあと2枚になってしまいました。こちらの時計もこの前の日曜日から1時間遅くなり、標準時間に戻りました。今日はハロウィーンで、子供達の声が外から聞こえてきました。
  この通信もずいぶんご無沙汰しておりました。私は英語に疲れながらどうにか生きています。今は「日本に帰ったら、温泉、温泉」と,それだけを楽しみにしています。
 この前、NHKの「クイズ新日本人の質問」(数ヶ月遅れで見られます)で「旅行会社の海外駐在の日本人社員が、日本に帰ったらまずしたいと思うことは何か?」という質問があり、私は「絶対風呂だ!」と確信を持って見ていたら、やはりその通りで「熱い温泉に入りたい」でした。たまにバスタブにお湯をはって入ることもありますが、ぜんぜん違うんだよね、やっぱり。毎日(もちろん一日置きでもOKだけど)お風呂に入れることは、ほんと幸せなことです。10ヶ月滞在して、日本のお風呂のありがたさをしみじみ感じているのでありました。巻町の「じょんのび」でも、岩室の「よりなれ」でも、三川でも津川でも、もうどこでもいいから(新潟の人しかわからないですね)、ずぶーっ、ぷはーっ、ぼーっと風呂につかりたいです。ほとんどオヤジですね。
 この文を読むとわかるように、私は少し日本シックになっています。そうそう、こちらにはいろいろな花や木々が庭に植えられているのですが、今まで金木犀の香りに気がついたことがありません。私にとって秋の庭を代表する香りは金木犀でした。それから、稲刈り後の田んぼの匂い。秋の香りがしない秋なのでした。
 さて、ヨガの一般のクラスに出ると、股関節が固いアメリカ人が沢山います。彼らにとってはスクワットや、正座とかの座るポーズが大変です。先生は「イスは災いのもと」みたいなことを言っています。
 ある日アメリカ人の友人に「もし、ヨガとかしてなかったら、家の中で床に座ることってないの?」と聞いたら、「ない」と言われ、「本当にそうなのね」と、改めてびっくりしてしまいました。
 私の知り合いはヨガ関係がほとんどなので、彼らは家の中でも靴を脱いだり、床に座ったりしています。だけど、ヨガとか合気道とか空手とかインド音楽とかアラブ音楽とかZENとかアジア系の何かに関わっていなかったら、アメリカ人(やヨーロッパ人)にとって床に座る機会はあまりないのです。「床に座らないのか~」とつくづく変な感じです。頭ではわかっているつもりでいても、実際に聞いたりするとやはり新鮮に驚いてしまいます。当然和式のトイレでは用が足せないだろうね。
 日本人も最近は家の中でもテーブルやイスが増え、昔のように床に座らなくなっているように思います。ヨガの先生は家の中からイスを無くした方がいいと言っておりました。彼の家のキッチンはテーブルとイスではなく、低いテーブルを使っています。このテーブルどうしたのと聞いたら、足を切ったんだと言ってました。おおーそうかと納得。こちらでは座った時にちょうどよい高さになるテーブルはあまりありません。日本の家具を扱っている店とかでは見つけられるようですが、高いです。
 私が子供の時は、家の中には勉強机とセットの椅子と、ミシンのイスしかなかったように記憶しています。今は、そんなものじゃないですよね、一般家庭は。
 そうそう、和式トイレは、用を足しながらハムストリングス(太ももの後ろ側の筋肉)を伸ばし、股関節や足首の関節も柔軟にする、子どもや若者にはすぐれた便器だったのでした。ウオッシュレットまでついているイス型便器で用を足している今の日本の子供達の将来はいかに?今の日本の小学生とアメリカの小学生では、昔ほど体に違いがないような気がします。
 ちなみに、ウオッシュレットをアメリカで見たことはありません。暖房便座もないぞ。あれは日本だけなのでしょうか?もしかしたら、日本のトイレはあまりにも快適過ぎるトイレなのかもしれません。あの快適さに小さい時から慣れてしまうのも考えもんです。ウオッシュレット付き快適トイレが使えるのは、選挙と一緒で二十歳を過ぎてからとかにした方が、きっと子どものためになるような気がしますが、どうでしょうか?なんだか、金木犀がいつのまかトイレの話になってしまいました。
 今度、何人かに薦められた近くの「ピデモント スプリング」というホットタブがある所へ行ってみようと思っています。10ドルだったか20ドルで1時間個室のホットタブに入れるらしいです。
(2011年の後記)
ピデモント スプリントには結局行かずじまいだった。だけど、サンフランシスコのホットタブには行きました。個室でなくて、日本で言うところの日帰り温泉なんだけど、日本のとはえらい違っていた。

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