おすすめ本 「インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日」

確定申告の書類をやっと今日投函した。ふーっ。毎年、もっと早くから手をつけようと思っている、思っているんだけど、いつもギリギリ。昨日は税務署に電話をかけ、不明な点を聞く。去年聞いた減価償却の仕方も、また聞いている。聞いていて、去年聞いたことだったとわかる自分。いやいや、とにかく終わったぜ!
オススメ本は、ずいぶん前に新潟日報の書評に紹介されていた本で、図書館で予約を入れ、2ヶ月くらいは待った気がする。当時20代後半の著者(女性)が、180万円の予算で2年間ユーラシア大陸からアフリカをバックパックで旅した記録だ。
正直、こんな旅ができる人は少数派だ。英語が堪能だということも旅を助けているけど、著者の度胸というか勇気というか、こわいもの知らずというか、サバイバルって言葉が似合う旅の記録だ。なんて姉ちゃんだ!って正直思う。
読みやすいことも手伝い、どんどん読み進んでいく。そこには、私の知らないアジア、中東、アフリカで生きる人々の姿が書かれている。メディア等を通じて伝えられるそれぞれの国の姿は、いかに多くのことをそぎ落として、提示されているのだろう。
そして、いろいろな人々や出来事に出会う中で引き出される著者の様々な思索、感情などが赤裸々に簡潔に綴られている。
それらが私のアフリカや中東などの遠い国やそこで暮らす人々に対する先入観を軽々とぶち壊していくのが心地よい。
私は昔ちょっと英語を近所に習いに行ったときがあった。そこはアメリカ人男性と日本人女性の夫婦がやっていた。当時はヨガをしているわけでなく、ただ漠然と英語がもうちょっとできるといいのにというくらいの動機で通い始め、その後1年近く住むことになったアメリカには何の興味もなかった。私のアメリカのイメージは「怖そうな国」だった。
そんなことをたまたまアメリカ人の先生に話してしまい、えらい怒らせたことがあった。まだ20代半ばくらいのことだった。今思えば、彼は怒って当然だ。
そのずいぶん後でアメリカに行くことになり、そこはオークランドという街だった。オークランドは黒人が多い街で、殺人も多いという噂も聞いていた。
実際に行って見ると、ヨガスタジオがあった場所は、オークランドの中でも治安がいい地域で、怖い目にあったときは1回もなかった。アメリカの街は、地域によって貧富の差がはっきりしていて、下手すると1ブロック違うだけで、雰囲気がガラッと変わることもあるので、注意は必要だけど怖がりすぎる必要も無い。
この本を読んで、そんなことも思い出した。
多くの日本人が目にすることもない風景を見せてくれる本だと思う。テレビや新聞など大きな媒体に載らない情報は、載っている情報よりも何倍も多いことを実感させてくれる。
著者の中村安希さんはブログもしている。中村安希さんというエネルギッシュでパワフルな若者の目からみた世界には、大きなメディアには載らない次元が広がっている。
安希のレポート

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