カテゴリー別アーカイブ: Books

20世紀のディストピア小説 2冊

ラジオで紹介していた小説を図書館で頼んだら、

ちょうど連休前に届いたので、

この連休に読んでいた。

「一九八四年」と「侍女の物語」

どちらも20年くらい前の小説だけど、

最近アメリカで話題になっていると紹介されていた。

「一九八四年」は元々名作として知られている小説だけど、

トランプ大統領が誕生してからamazonで売れ行きが1位になり

話題になっているという話だった。

「侍女の物語」はhuhuでこの春からドラマ化されて、

話題になっているという話(日本での公開はまだらしい)。

 

どちらもSFなのですが、2017年のこの時代と地続きしている感が強い。

今の時代が極端になると、こうなってしまうのかも・・・と

特に1984年はぞわぞわしながら読んでいた。

SF小説なのだけど、まったくの架空と思えないのが今の時代の怖さだ。

最近の安倍政権の不穏でいやな雰囲気もここに連なっている。

二重思考は今もまかり通っているよ。

トランプも北朝鮮も中国も日本も・・・。

1984年の世界ではこんなこと書くと

思考警察にマークされ蒸発させられるよ。

 

 

怖かったけど、どちらも面白く、

3日間で2冊読んでしまった。

 

オススメです。読んでおくべき本だと思う。

 

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

侍女の物語

 

だけど連休中に読む本じゃなかったかな~と思ったのであった。

 

テレビドラマはファンタジーと知っていたけど

お友達の昨年のオススメ本を借りて読んだ。

冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場

自分の警察や裁判所のイメージがテレビドラマなどにかなり影響を受けていることを知った。

かなりファンタジーだった。

そんなものじゃないのだ、現実は。

最近の官僚の国会答弁を見ていても、

なんとなく想像つく。

 

留置場の意味合いを考えたこともなかったけど、

いろいろ考えさせられる。

 

読み始めたら面白くて一気に読んだ。

 

新潟のアイドル Negiccoの本を読んだ

エヌ イー ジー アイ シーシーオーが

頭の中を回る。

先日友達に誘われて参加した会は

参加者の昨年のオススメ本を紹介するという内容だった。

そこでオススメされた中の1冊

新潟発アイドルNegiccoの成長ストーリーこそ、マーケティングの教科書だ

Negiccoはもちろん知っていたけど、特に興味もなく、

がんばっているな~程度の認識だった。

 

けれどこの本を読み、youtubeでnegiccoの動画をたくさんみた。

negiccoは私の想像以上にがんばっているグループで、

とっても応援したくなった。

 

おすすめ本 2冊セット

新聞の書評欄をみて、

その島のひとたちは、ひとの話をきかない――精神科医、「自殺希少地域」を行く――

を借りて読んだ。

その本の元本になっているのが

生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある

こちらの本で、これも借りて読んだ。

逆の順番の方が良かったかと思ったけど、

どちらにしても面白く、両方読みがおすすめ。

 

最初の本は2番目の本を読んだ著者が、

その地域に興味を持って旅をしたエッセイで、

そのときどきの著者の感じ方が素直に綴られてる。

 

ハッとさせられるとても新鮮な内容だった。

 

シンクロでした(?)

友達に薦められた「謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉」(高野秀行著)が、

やっと図書館の順番が回ってきて借りることが出来、

今日の夕方読み終わったところに、

今日のEテレのSWITCHインタビュー 達人達(たち)

高野秀行×枝元なほみの回だった!

シンクロニシティですか!!

 

本に出てきたアジアの納豆が動画でも紹介されていて、

本の写真よりもよくわかり、ほほーと思いながら視聴。

高野秀行さんが本の印象よりも繊細な感じだったのが印象的。

 

納豆は日本だけの食べ物じゃなかったのだ。

高野秀行の本はソマリランドで初めて読んだ。

謎の独立国家ソマリランド

いつも私の常識を軽々と飛び越えて、

世界の広さを見せてくれる。

謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉

納豆についての認識も変わりました。

この人の本、私は好きです。

 

この本を読んで、納豆キムチチャーハンを久しぶりに作った。

納豆は焼いても香ばしくておいしい。

小泉武夫先生のこれも簡単でおいしいです!

焼き納豆丼

 

薦めてくれた友達が連れて行ってくれたタイ料理の店(東京)では、

納豆を使っているレシピがあった。

タイでも東北の方の料理のお店だと言っていた。

 

おすすめ本 「ドミトリーともきんす」高野文子

高野文子の新刊!!!

ラジオで知り、早速購入した。
中身を見たらじっくり読んだほうが良さそうな感じで、
しばらく放っておき、昨日やっと手に取った。
さすがに高野文子さんで不思議な感覚の本。
絵もね~。
紹介されている本が読みたくなる。
あとがきも面白かった。
『ドミトリーともきんす』
高野文子最新作『ドミトリーともきんす』の特設サイト。
http://dormitory-tomokins.tumblr.com/
高野文子さんの顔、初めてみた!
元々はwebで連載されていたものだったのね。
http://matogrosso.jp/tomokins/tomokins-12.html

最近のおすすめ本

ツィッターをみていたら、以下の記事へのリンクがあった。 
講談社:3賞決まる エッセイ賞は末井昭さん「自殺」
上記の本は、just nowで読んでいる本だ。
講談社ノンフィクション賞は清武英利さんの「しんがり 山一證券 最後の12人」(講談社)で、
この本は「自殺」の前にちょうど読んだ本。
なんかびっくりなので、書いてみた。
「自殺」はツィッター関係で目にして読んでいる本で、
「しんがり」は書評を見て借りた。
「自殺」は著者の語り口がやさしくてあたたかい。
立ち位置が読者にとって、とても楽な感じで、
こんなところで立つこともできるのだと思ったりもする。
自殺を扱っている本だけど全然暗くない。
おすすめします。
この本で気持ちが少し楽になる人は多いと思う。
「しんがり」は山一證券の最後の時間を書いたノンフィクション。
そのうちテレビドラマか映画にでもなりそう。
一気に読んだ。

おすすめ本 「謎の独立国家ソマリランド」高野秀行著を読んで

「謎の独立国家ソマリランド」を読んだ勢いで、
高野秀行さんの著書を2冊読んだ。

著者の酒への執着が面白おかしくつづられている。
ただこの本の真の狙いはイスラム教の人々の素顔を紹介することなのだと思う。
イスラム教が地になり、
人が前にいる。
それは当たり前のことなのに、
そうだよな~と改めて思う。
私にとってはイスラム教に触れる機会はほとんど無く、
よくわからないだけに、
イスラム教で全部まとめて包んでしまいがちになるけど、
イスラム教といっても、本当にいろいろな人がいるし、
国や地域によっても違う。
わからないものはついまとめてしまいがちになるけど、
それは危険なことなのだ。
テレビなどのニュースでは決してわからない、
お酒を通したイスラム教の人達の素顔を垣間見れました。

すみません。笑っちまった。
最後はちょっと納得できる。
高野さんにフェルデンクライスメソッドも体験してもらいたい。

おすすめ本 「謎の独立国家ソマリランド」高野秀行著

書評で面白そうだったので、
図書館で借りてみたら、
本の厚さにびびり、
手をつけられずにいた。
やっと読み始めたら、
面白い!
だけどさすがに読み終わらず、
期限切れになり、
再予約して、数週間待ち、
この日曜日と月曜日に一気に読了。

ソマリアとだけ認識していたアフリカの国。
日本を含む西洋の価値観にどっぷりで、
それにあまり疑問を持っていない自分自身の価値観を
いい感じで揺さぶってくれる。
ソマリランドは確かに奇跡だった。
すごい面白かった。
厚いけど、ずんずん読めた。
(氏族名だけは、気持ち読み飛ばしたけど・・・)
印象的だったのが、ソマリランドの住民(北部の住民)は、
戦いが好きで、慣れていたから、
昔から決められている最低限のやってはいけないことと、
精算するルールが機能し、
ひどい事態を招くことにならなかった。
南部の人達は戦争を知らなかったことから、
泥沼になってしまったという話。
喧嘩をしっているかいないか、
昔からの知恵やシステムが生きているかいないか、
その辺が大きな分かれ目になっている話。
それからソマリアのプントランドの海賊の見積もりの話。
数年前よくニュースになっていた海賊の話はこういうことだったのか~と思った。
詳しくは本を読んでね!
そして、とても危険な、危険な、危険な旅だったのだと思うけど、
著者の語り口が柔らかく、
面白ルポとしても秀逸。
体当たり感と現地住民化がすごいなっし~。

おすすめ本 「原発ホワイトアウト」

書評を見て図書館で予約をして、
やっと回ってきた。
読み始めて一気に読んだ。
確かに小説ではあるけれど、
自民党、官僚、電力業界、自治体などの記述については、
これはドキュメンタリーなのでは・・・くらいの勢いだ。
下記のリンクは今月のニュース記事である。
【原子力規制委の人事】 原子力ムラと関係深く 再稼働へ人選基準「無視」
この内容とほぼ同じことが、
この本の中に出てくる官僚の言葉で語られていた。
その言葉通りに現実がなっていることに驚愕する。
国家公務員として働いている人が書いているだけに、
リアリティが強い。
電力システム改革、原発の再稼動についても、
本の中の保守党(どうみても自民党)、
電力業界、官僚等の目論見が語られている。
原子力をめぐる利権の構造は、
庶民の想像を遥かに超えるものらしい。

世の中にもっと読まれてよい本だと思う。