クーリヤッタム

 東京滞在中にでインドの最古の舞踊劇と言われている「クーリヤッタム」のパフォーマンスとレクチャーという催しに行った。バリ舞踊をやっている友人が、友達からかなりいいからと言われ、時間があったので一緒に観に行った。

 舞台は前日で既に終了していて、この日はゼロックスの講堂という殺風景な場所でのパフォーマンスとお話だった。最初は化粧をせず、衣装もつけない状態で、短いパフォーマンスを見せてもらった。目の動きや表情がかなり豊かで、動きから感情が伝わり、それはそれでとても面白かった。その後、お話があり、練習の一部を見せてもらったりして、最後にメークをして、衣装を着けて、短いパフォーマンスが始まった。

 3人だけで、ある物語のほんの一部の抜粋でしかなかった。時間も15分か20分くらいだったと思う。舞台も無く、照明も会議室の照明で、舞台効果などはほとんどなかった。セリフもあるけど、サンスクリット語なので、全然わからない。ストーリーは最初に簡単な説明があり、単純なストーリーだった。

 ところが、こういうふうな踊りをみて、初めて鳥肌がたち、涙が流れた。
 
 胸がざわざわした。やるせない感情が私の身体に響いた。

 メインのある女性の演者が本当にすごかった。彼女が表現している感情が、そのまま伝わってきた。彼女が途中で後ろ向きになり、少し間を置いて、いきなり正面に振り返った瞬間、電気が走ったように私の身体は総毛立った。基礎となる動きがあってこそだとは思うけど、魂のある踊りだった。途中からは、動きがどうだなんて私は感じる余裕さえなかった。圧倒されて、そこにいただけになった。

 彼女のパフォーマンスを見ることができて幸せだった。インドの最古の身体技法による表現、すごかったです。次回は絶対舞台を見てみたい。 

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