今日のおすすめ本: 「はい、泳げません」高橋秀実著

図書館の企画コーナーに置いてあった本を借りた。
泳げなかった著者が、スイミングスクールに通いながら
「泳げる人」になっていくノンフィクション。
久しぶりに本を読みながら笑いが止まらなくなった。
私は泳げなくはないけど、クロールをしていると、
どんどん下半身が沈んでいき、25mがやっとこさの人間である。
なので、著者の疑問、心のつぶやきは、
「うんうん、わかるよ!!」と納得できる部分は多い。
私が小学生の頃、学校の水泳用のキャップには、
ゴムひもが縫い付けられている生徒と、
何もついていない生徒がいた。
確かクロールで15m泳げた生徒は短い紐。
25m泳げた人はそれよりも長い紐。
50m泳げた人には、なんと2本も額に飾られていた。
3本ついていた人もいたと思う。
水泳が出来ない子供を尚更水泳嫌いにする、
すぐれたシステムを当時の学校は持っていた。
泳げる子には励みになるけど、
泳げない子の劣等感を強化する。
だって、「私は泳げません」と言っているようなもんだ。
今の小学校では、
運動会で順位をつけないという話を聞いたことがあるけど、
それもなんだかな~~~って感じだ。
どっちも極端すぎ。
それはともかく、
何も紐がついていない私はプールの時間は苦痛以外の何者でもなかった。
息継ぎをしようとするたびに、沈んでいく小学生の私・・・・。
当時の私がえらいのは、ずる休みはしなかったことだ。
(かなりまじめだった・・・)
えらかったよ、自分。
著者は「ウソをつく」ことをそこで覚えたと書いてあった。
この本でナイスと思ったのが、
インストラクターの桂コーチ。
これまでの私の(短い)プール人生には、
著者を「泳げる人」に導いた桂コーチのような人は、
プールの周りにはいなかった。
30歳過ぎてから、市のスイミング教室にも何回か通ったけど、
こんなユニークは人はいなかった。
市の教室でカリキュラムが決められているせいか?
「泳ごうとしてはいけません」(by桂コーチ)
「私は、水泳を泳がそうなんて思っていませんから」(by桂コーチ)
また、この本は、いわゆるhow to本ではないけど、
何だか上手に泳げない自分でも、
泳げるようになれそうな予感を与えてくれる。
ものごころがついたときには、既に泳げていた人や、
泳ぐことに何の障害もなかった人にもオススメ。
そういう人達には想像もつかない世界や考え方が
書かれていると思う。

そういえば、
きれいに、楽そうに、
長い距離を泳げるようになることは、
身近な夢の一つだった。
プール、行こうかな・・・

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