おすすめ本 「ハチはなぜ大量死したのか」

昨年、アメリカなどでミツバチがいなくなったというニュースを耳にして、頭の片隅にそのニュースが残っていた。それでニホンミツバチの話題などもちらほら目にしていたけど、この本を読んで、今のセイヨウミツバチが置かれている状況が想像できた。
推理小説を読むような感触もあるノンフィクションで、本を読み進めるうちに、私達の現在の生活を支えている危うい状況がはっきりしてくる。
正直のところ、私はセイヨウミツバチがアメリカやヨーロッパ、中国など世界の各地で、こんなふうに酷使され、商品としても流通し、商業化した大規模農業の一端を担っていたなんて、全然知らなかった。
素のアーモンドが無印良品でも簡単に買えるようになったなんて、つい最近喜んでいたんだけど、そのアーモンド栽培には、セイヨウミツバチが深く関わっていたとは・・・。なんてお世話になってるんだ!
だから、ミツバチがいなくなることは、日本の私達の生活も十分関係していることなんだ。
農業という生きる根幹に関わることが商業化されていくことが、今後の生活にどんな影響を及ぼすのか、誰もまだわからない。でも、セイヨウミツバチの現象は私達の現在の生活の行く末を示唆している。
ミツバチがいなくなったことは、ほんの始まりにすぎないというようなことが本にも書いてある。
著者は、様々な養蜂家に取材をし、その中には時流に乗らず、独自の道を切り開き、CCD(蜂群崩壊症候群)とは無縁の養蜂家の紹介もある。
私達には選択肢が無いわけではない。
面白かったです。蜂蜜が貴重なものに思えてきた。山田養蜂場とか大変じゃないのかな?と思ったりもしましたわ。ミツバチに限らず、虫達、植物、全ての生き物がつながっている生態系のシステムはやっぱりすごいと素直に感じられた本。植物と虫の関係もとんでもなく面白そうだと、改めてまた思った。

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